
分析者のための因果推論入門 データ分析と意思決定を紐づける手法と考え方を網羅的に詳解する
堀井 俊佑
- 定価
- 3,080円(本体価格 2,800円)
- 発売日
- 判型/ページ数
- A5/326ページ(オール4C)
- ISBN
- 978-4-8026-1519-8
因果推論の大きな特徴は、「何を仮定するか」を常に明らかにしながら分析を進める点にあります。分析の結果、何らかの数値が得られたとしても、それが意味を持つのは、前提として置いた条件が成り立っている場合だけです。推定値そのものよりも、その背後にある構造や仮定を意識することこそが、因果推論を活用する第一歩なのです。
目次
第1章 統計的因果推論とは
意思決定の効果をより正確に推測する
1.1 統計的因果推論とは
1.2 「因果推論を意識しない分析」と「因果推論を意識した分析」の違い
1.3 実務課題解決において統計的因果推論が果たす役割
第2章 統計的因果推論のための統計的基礎
条件付き確率と条件付き期待値の推定を理解する
2.1 変数の種類
2.2 確率分布の基礎
2.3 確率分布の推定
2.4 確率分布の特徴量の推定
2.5 条件付き確率分布の推定
2.6 ベイズ推論
2.7 機械学習を利用した条件付き期待値の推定
第3章 潜在反応モデルに基づく因果推論
潜在反応モデルのフレームワークを理解する
3.1 潜在反応モデルと因果効果の統計的定義
3.2 セレクションバイアスとランダム化比較試験(RCT)
3.3 平均処置効果を推定するための条件
3.4 平均処置効果の推定方法
3.5 潜在反応フレームワークに基づく因果推論のデータ分析例
3.6 潜在反応フレームワークに基づく因果推論に関する様々な誤解
第4章 構造的因果モデルに基づく因果推論
構造的因果モデルのフレームワークを理解する
4.1 構造的因果モデル
4.2 介入と平均因果効果
4.3 平均因果効果の推定
4.4 線形構造方程式モデルに基づく因果推論
4.5 構造的因果モデルフレームワークに基づく因果推論のデータ分析例
4.6 構造的因果モデルにおける重要な仮定とその検証
第5章 潜在反応モデルと構造的因果モデルの融合
2つのフレームワークを融合させて分析の幅を広げる
5.1 構造的因果モデルにおける潜在反応
5.2 潜在反応モデルと構造的因果モデルを組み合わせた因果推論のデータ分析例
5.3 重回帰分析による因果推論
5.4 構造的因果モデルにおける反事実推論
第6章 調整に必要な変数が観測できない場合の因果推論
未観測の交絡因子を克服するには
6.1 操作変数法による因果効果の識別
6.2 操作変数法による因果推論のデータ分析例
6.3 フロントドア基準による因果効果の識別
6.4 フロントドア基準による因果推論のデータ分析例
第7章 特殊なデータ構造を利用した因果推論
差分の差分法、回帰不連続デザイン
7.1 差分の差分法
7.2 差分の差分法による因果推論のデータ分析例
7.3 回帰不連続デザイン
7.4 Sharp RDDによる因果推論のデータ分析例
7.5 Fuzzy RDDによる因果推論のデータ分析例
第8章 異質な因果効果の推定
効果のばらつきが示す意思決定のヒント
8.1 潜在反応モデルにおける異質な因果効果の扱い
8.2 条件付き平均処置効果推定のデータ分析例
8.3 構造的因果モデルにおける異質な因果効果の扱い
8.4 条件付き平均因果効果推定のデータ分析例
8.5 異質な因果効果推定に関する注意点
第9章 実務で因果推論を活用するために
因果推論を意思決定に活かすための視点と限界
9.1 意思決定における因果推論の位置づけ
9.2 因果推論の仮定への向き合い方
9.3 現場と分析をつなぐための対話
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